国が銀行救済するベイルアウトから、預金封鎖し救済するベイルインへ



銀行の預金封鎖の可能性も否定できないことをブログ記事でまとめた時に、「そんな大きな銀行を潰せるわけがない」「そんなことを言って何も起こらなかったらどう責任を取ってくれるんだ」などの言葉も散見されました。

まぁ、放射能問題ともとことん共通してますね。安全を信じている人からは「そんなことになるはずがない」「病気にならなかったらどう責任取ってくれるんだ」・・・

「否定できない」「現実的にあり得る」ことである以上、あらゆることを想定して備えをするのが危機管理なわけですが、そちらに走るのではなく、「あるわけがない」思想にしがみつく現象。

預金封鎖の可能性についても、デマや陰謀論等ではなく、EUで今年の始めに発動された「ベイルイン」として現実にありえることであり、海外の金融関係者や市場関係者といった層までも言及しているわけです。

と、話はそれましたが。。

バブルが崩壊したこれまでの日本もですが、これまでは銀行が破綻するという時に、国が多額の税金を注入して救済をしてきました。

この方法は、「ベイルアウト」と呼ばれます。これまではこのベイルアウトで救済されてきました。

しかし今後は、このベイルアウトではなく、「ベイルイン」が行われるようになります。

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EUではすでに発動、預金凍結をすることができるベイルイン制度とは?

ベイルインとは、これまでのよう国が税金を投入して救済するのではなく、破綻寸前の銀行が顧客である預金者のお金を奪ってそのお金で銀行を救済することを言います。

2016年はベイルイン元年です。今年の始めにEUが公式に、このベイルイン方式による銀行の救済に合意。EUは、2015年にこのベイルイン制度の導入についてうったえてきました。

EUがベイルイン導入を11カ国に警告

欧州連合(EU)は、加盟国のなかで金融機関の再生・破綻処理の為の「ベイルイン」の導入を実施していない11カ国に警告をだした。最大で2ヶ月以内に導入しなければ、欧州司法裁判所による執行命令の発動に動くとしている。また場合によってはEU除外も辞さないと警告している。

そして昨年12月末にすでに、EUの全加盟国でベイルイン制度導入の準備が完了し、今年2016年1月1日にベイルイン制度がEUで発動されています。

すなわち、次の金融危機が起こった際は、国による公的資金の注入による救済(これまでのベイルアウト制度)ではなく、このベイルイン制度=顧客の預金を使って銀行が救済されるのです。

「ベイルイン」元年となる2016年

2015年はEUが加盟国に、金融機関の再生・破綻処理の際の「ベイルイン」制度の導入を訴えてきた年であった。12月末には、全加盟国で導入が終了、2016年1月1日をもって、全てのヨーロッパの銀行で「ベイルイン」制度が発動される。次の金融危機の際に、金融機関の破綻処理にヨーロッパでは、公的資金ではなく「ベイルイン」制度が活用され、世界中の銀行で活用されるためのテストランとなる。

イタリアやキプロスで実施済み

ドイツ銀行株大暴落、世界的な金融破綻危機、世界大恐慌懸念も」の記事でも書きましたが、イタリアですでにこのベイルイン制度によって多くの年金生活者が損失を被りました。抗議の自殺も出たとのこと。

ベイルイン・・・

このベイルイン、2013年にEU加盟国キプロスで実施済みです。

規模の小さい国でしたから、世界的な大事になりませんでした。

ベイルイン方式のEU全体への導入は当初2018年と言われていましたが、どんどん繰り上げられて、今年の1月1日になったのです。

EU議会は、なぜ急いだのでしょうか?

囁かれているように、ドイツ銀行はじめ欧州のメガバンクの不良債権問題が想定以上に速く悪化しているのかもしれません。

他人事ではありません。

仮に欧州のメガバンクの一行でも破綻しベイルインが実施されるような事態になったら、世界の金融システムを震撼します!!

EUで発動済のベイルイン=預金封鎖、日本での状況

ベイルインについて

従来、金融機関の破綻処理は預金保険法102条で一時国有化など特別な破綻処理(ベイルアウト)で対応してきました。しかし、ベイルイン導入を検討する中、預金保険法126条の2を新設し、債務超過に陥った金融機関に対し内閣総理大臣が契約上のベイルイン(損失吸収条件のある劣後債など)を発動する権限を持つとされ、元本削減や株式転換が行われる方向です。ただし、法定ベイルインは日本での導入は課題が山積みと見られています。

ベイルアウトvsベイルイン

このような国際的流れをふまえて、日本でも「ベイルイン」の概念を取り入れ、預金保険法が今年6月に改正されています。ただし、改正預金保険法でも、公的資金注入による大規模金融機関の「ベイルアウト」は前提として残っており、「ベイルイン」の対象も、劣後債、優先株式、劣後ローンの3種類のみで、シニア債務や預金、既存の債券などは今のところ対象外となっています。

日本では今のところは預金は法定的には対象外になっているとありますが、法律同様の効力を持つ通達という存在もありますからね。。日本でもされることは、自分には現実的に思えます。そんなことにならなければ一番良いのですが、なんせ前例がありますから…。

あとは各自がどう受け止めるか、対処するかでしょう。

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ベイルインで預金者のお金が奪われています。

日本でも大々的にベイルアウトが行われたのですから、もし、再び日本にも金融崩壊の波が押し寄せたなら。。。金融界の世界標準となってしまったベイルインが導入される可能性が高いかもしれません。そうすると預金すればするほど損をする仕組みになってしまいます。

日本の金融機関も、かつてはサラリーマンのボーナスを預金に回すよう盛んに宣伝していましたが。。。あれは入金詐欺だったのでしょうか?

ベイルインでは、金融機関が破たん寸前になっても、預金者の預金は銀行の資産であると勝手に決めつけ、預金を使って銀行を救済すればよいと考えるようになったのです。

NHKも特集した「預金封鎖」 お金引き出せなくなる悪夢は襲ってくるのか

「預金封鎖」が話題になっている。

NHK「ニュースウオッチ9」(2015年2月16日放送)では、預金封鎖によって起った国民生活の激変ぶりを、大阪市立大学名誉教授の林直道さん(91)が証言。さらにNHKが政府への情報公開請求によって入手した当時の証言記録をもとに、預金封鎖の「真の目的」に迫るという内容だった。

政府は戦時中、国民に国債の購入を促して大量に発行した。その結果、国の借金は急増。終戦前の1944(昭和19)年度末には対GDP比204%にまで膨らんだ。

敗戦直後、物資や食料が不足している日本を猛烈なインフレが襲い、国の財政は危機的状況に瀕した。政府は借金の返済原資を確保しようと、国民がもつ10万円超の預貯金のほか、家屋や田畑、株式など幅広い資産に最高90%を課税した。それが財産税だ。敗戦による国の借金を国民に負わせようとしたわけだ。

 

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