太陽フレアと地震-「直接の関連や影響はない」海外分析



 

前記事「福島沖M7.1アウターライズ地震と太陽フレア直撃-厳重警戒を」では、太陽フレアの影響による地震との関連について各種記事を元にまとめましたが、管理人は太陽フレアとの関連に懐疑的な見方も同時に持っています。

太陽フレアと地震の発生に密接な関係性はない?

個人的には、太陽フレアについては、着目はしているものの、太陽フレアによる可能性についても半分見つつも、懐疑的な面も半分持ちつつ、といった感じです。

昨日の福島沖地震は、強い太陽フレアが観測されてから地震が起こりましたが、過去の地震では、太陽フレアとはなんら関係のないものも起こっています。

太陽の黒点が多い時に太陽フレアは多く起こるわけですが、2008~2009年には太陽の黒点がほとんど現れませんでした。

でありながら、太陽活動が2年間に渡りほとんど見られない中でも、大きな地震は起こっています。(参照先:太陽の黒点が消えた2年間の理由

今年(2011年)2月14日には数年ぶりの大規模フレアが起き、大きな黒点も見られるようになっている。新しい極大期に向けいよいよ本格的に活発化してきたのかも知れない。

上記でいう、数年ぶりの太陽フレアだけに着目する限り、この8日後にNZの大地震が起きているわけですから、一見関連性があるようにも感じます。

同時に、太陽は11年周期で活発-静穏を繰り返していますが、前回は2000年頃がピークで、2011年くらいまでは太陽活動が静穏な時期となっていました。それでも、その間に大きな地震は起こっています。

太陽フレアが静穏な時にも起こっている大地震

以下は、すべての大規模地震が記録されているかどうかはわかりませんが、ここで把握されているだけでも、これだけの大地震があることがわかります。

2009/09/30-スマトラ島沖地震(M7.5)・・・インドネシア
2009/09/29-サモア沖地震(M8.1)・・・サモア諸島
2009/04/05-ラクイラ地震(M6.3)・・・イタリア
2008/05/12-四川大地震(M8.0)・・・中国
2007/09/12-スマトラ島沖地震(M8.5)・・・インドネシア
2007/08/15-ペルー地震(M8.0)・・・ペルー
2007/04/02-ソロモン諸島地震(M8.1)・・・ソロモン諸島
2006/07/17-ジャワ島南西沖地震(M7.7)・・・インドネシア
2005/10/08-パキスタン地震(M7.6)・・・パキスタン
2005/03/28-スマトラ島沖地震(M8.6)・・・インドネシア
2004/12/26-スマトラ島沖地震(M9.1)・・・インドネシア
2003/12/26-イラン南東部で地震(M6.8)・・・イラン
2003/09/26-十勝沖地震(M8.0)・・・日本
2003/01/21-メキシコ南部で地震(M7.6)・・・メキシコ
2001/11/14-チベット北部で地震(M8.1)・・・中国

「世界の地震年表」より)

地震との関連性を言うと、因果関係としては弱いことも感じます。

2010年から現在に急激に増えている大地震の数

しかしながら、地震が起こった数で比較すると、確かに2000~2009年の9年間に起こった主な大きな地震の数に比べ、2010年から現在の4年間弱の大きな地震の数の方が圧倒的に多いことも同時にわかります。

2010年 2013/10/16-ニューギニア付近で地震(M7.1)・・・ソロモン諸島
2013/10/15-フィリピン付近で地震(M7.2)・・・フィリピン
2013/09/26-ペルー沿岸で地震(M7.2)・・・ペルー
2013/09/24-パキスタン南部で地震(M7.8)・・・パキスタン
2013/07/08-ニューギニア付近で地震(M7.3)・・・ニューギニア
2013/05/24-サハリン近海で地震(M8.2)・・・ロシア
2013/05/24-南太平洋で地震(M7.4)・・・フィジー諸島南方
2013/04/20-中国四川省で地震(M7.0)・・・中国
2013/04/16-イラン南東部で地震(M7.8)・・・イラン
2013/02/06-ソロモン諸島付近で地震(M8.0)・・・ソロモン
2013/01/05-アラスカ沖で地震(M7.5)・・・米国
2012/12/11-インドネシア付近で地震(M7.2)・・・インドネシア
2012/11/08-グアテマラ南部沖で地震(M7.4)・・・グアテマラ
2012/10/28-カナダ沖で地震(M7.7)・・・カナダ
2012/10/01-コロンビアで地震(M7.2)・・・コロンビア
2012/09/05-コスタリカで地震(M7.6)・・・コスタリカ
2012/08/31-フィリピン沖で地震(M7.6)・・・フィリピン
2012/04/11-メキシコの太平洋沖で地震(M7.0)・・・メキシコ
2012/04/11-スマトラ島沖で地震(M8.7)・・・インドネシア
2012/03/25-チリ中部で地震(M7.2)・・・チリ
2012/03/20-メキシコ南部で地震(M7.8)・・・メキシコ
2011/10/23-トルコ東部で地震(M7.2)・・・トルコ
2011/09/02-アリューシャン列島で地震(M7.1)・・・米国
2011/08/24-ペルー東部で地震(M7.0)・・・ペルー
2011/07/07-南太平洋のケルマデック諸島で地震(M7.6)・・・NZ
2011/06/23-アリューシャン列島付近で地震(M7.2)・・・米国
2011/03/11-東北地方太平洋沖地震(M9.0)・・・日本
2011/02/22-カンタベリー地震(M6.1)・・・ニュージーランド
2010/10/25-スマトラ島沖地震(M7.7)・・・インドネシア
2010/04/14-青海地震(M7.1)・・・中国
2010/02/27-チリ地震(M8.8)・・・チリ
2010/01/12-ハイチ地震(M7.0)・・・ハイチ

これは、直接的な因果関係でなくとも、総体的に太陽フレアが活発になったことによる影響での地震の増加もあるのでしょうか?しかしながら、前回太陽フレアが活発になった11年間の間の大地震は、ここまで多くありませんでした。

1999/09/21-台湾大地震(M7.6)・・・台湾
1996/02/17-ニューギニア島沖地震(M8.2)・・・インドネシア
1995/05/28-サハリン北部で地震(M7.6)・・・ロシア
1995/01/17-兵庫県南部地震(M7.3)・・・日本
1994/10/04-北海道東方沖地震(M8.2)・・・日本
1994/06/09-ボリビアで巨大深発地震(M8.2)・・・ボリビア
1994/01/17-ロサンゼルス地震(M6.8)・・・米国
1992/12/12-フローレス島で地震(M 7.5)・・・インドネシア
1990/07/16-バギオ大地震(M7.8)・・・フィリピン
1990/06/20-イランで地震(M7.6)・・・イラン

太陽フレアや太陽風は、地磁気に影響を与えることでしょうし、電波による通信にも障害も与えることでしょう。しかし地震となるとどうなのでしょうか。関連性や因果関係があるようでいてないようでいて、実際は不明・・・そんな感想を持っています。

太陽フレアと地震が関連あるとする説はどこから

そもそも、太陽フレアと地震が関連あるとする説はどこから出てきたのでしょうか。

調べたところ、因果関係の立証がされているわけではなく、「月や太陽の引力が多くの地震を引き起こしている可能性が高い」という説を主張している層がいる、という程度のようです。

海外メディアの記事を見ると、「関連がある」とされているもの、「関連はない」とされているもの両方があり、同じように「太陽フレアと地震の発生に関連性はあるのか?」という疑問がネット上に掲載されていたりします。

そこで、もう少しいろいろと調べてみました。

海外での検証では「太陽フレアと地震の発生に関連性は見られない」

以下は、2011年までのデータですが、太陽フレアと地震の関連性を表したプロットです。青いのが太陽フレアの強さ赤いのが地震の強さです。太陽フレアが周期(約11年)の周期を持っているのに対し、大きな規模の地震は一定に起こっています。


(画像クリックで拡大)

Do solar flares cause earthquakes?より引用

以下は、今年に書かれているハフィントン・ポストの記事ですが、こちらでも新しい研究の結果にもとづいて「太陽フレアは地震を起こさない」と断言をしています。

Solar Flares Don’t Cause Earthquakes

Dr Jeffrey Love (US Geological Society)
Dr Jeremy Thomas (Northwest Research Associates)

という2人の専門家が太陽フレアと地震の関連性についてさまざまな検証をした結果、やはり太陽フレアと地震の発生において、関連性は見られないとのことでした。

“Across a range of earthquake magnitude thresholds, we find no consistent and statistically significant distributional differences. We also introduce time lags between the solar-terrestrial variables and the number of earthquakes, but again no statistically significant distributional difference is found.”

According to the team, there was no direct correlation in the data.

マグニチュードのしきい値の範囲において、太陽フレアと地震の関連性を示すデータには一貫した規則的な違いは見られず、データ分布の著しい差も確認できませんでした。また太陽フレアの地球への到着と地震数との間において、時間差も考慮しましたが、やはり重要な分布の差は見られませんでした。

研究チームによると、太陽フレアと地震の発生における直接の関連性はデータから見られませんでした。

科学的な見地、および、今までの太陽フレアと地震との関連性を示すデータから、太陽フレアと地震の間には直接的な因果関係はないことがわかります。

また、記事では、停電、電波や磁場における影響、インフラ面などに関しては、太陽フレアが影響を起こすことがわかっている、とされています。しかしながら地震は別で、太陽フレアと地震との間には、直接の関連性はないとされています。

「太陽フレアと地震の発生に関して、関連性があると信じたい人々がいるようですが、関連性がないものはないのです」と前出の専門家は述べています。

「関連性があると信じたい人」というのは、以下の記事に出てくる「サイエンスライター」のような人々のことでしょう。

磁気嵐が地球を破壊 太陽フレアのピークが東日本大震災超巨大地震を呼ぶ

100年に一度の爆発的な“太陽嵐”の発生が起きる今年、様々な悪影響を地球に及ぼし、巨大地震をも引き起こすと言われているのだ。

「太陽フレアの活発化で大気中の磁気エネルギーが劇的に上昇し気象状況が異常なまでに悪化する。そのため、送電網のクラッシュや飛行機の墜落、そして食糧供給への深刻な影響を誘発する。さらに磁場が乱れた結果、津波や地震にも見舞われ、大混乱となる可能性があるのです」(サイエンスライター)

「巨大地震との関係やそのメカニズムは科学的には解明されていませんが、巨大太陽フレアが発生した後に、大地震が発生することは過去の例で指摘されている。元禄地震(1703年)の時期も、フレアの巨大化や黒点の減少など、太陽の異常現象が起きたとされているのです」

この「サイエンスライター」を名乗る人も(日本人なのでしょうか?)、太陽フレアと地震の関連性を強く言及しながらも、「巨大地震との関係やそのメカニズムは科学的には解明されていませんが」と前置きしています。

太陽フレアが原因であるという誤誘導をしたい層がいるのではないか、ということも疑われます。

太陽フレアと関連性を見せたように発生した地震はなぜ?

しかしながら、ではなぜ、最近のフィリピンでの大地震や、今回の福島沖のM7.1地震では、太陽フレアと関連があるかのような動きを見せたのでしょう?

複雑な要素がトリガーとなっている中で、太陽フレアがほんの一部としての要素という可能性も考えられますし、または、上記の検証で「関連性がない」とされたよう、「太陽フレアと関連性があるように見えたのはまったくの偶然の可能性」もありますし、そして、管理人個人的には、太陽フレアに合わせ人為的に地震が起こされた可能性も合わせて疑っています。

最後の「人為的に」と思うにいたった要因や事象については、あくまで個人的な見方としてですが、次の記事にまとめたいと思います。