「特定秘密保護法案」(秘密保全法)の問題点-国会提出に



 
台風の到来に合わせたかのように、「特定秘密保護法案」(秘密保全法)が提出されることとなりました。

政府はこの「特定秘密保護法案」にもとづき、情報を開示せずに重要情報を遮蔽することが可能となる、大変危険な法案です。国民の「知る権利」が脅かされることとなってしまいます。

振り返れば、この「特定秘密保護法案」がない今までも、政府は、311東日本大震災後の原発事故にて、大量の放射能が拡散した危機的な状況においても、正しい情報を開示することは何一つありませんでした。代わりに発した言葉は「ただちに影響はない」-そして避難指示も何ひとつ出しませんでした。言ったことは「パニック回避」のみ。

今までも、元から重要な情報はすべて隠されてきたわけで、すでに統制は敷かれていることを実感しますが、これからは「法案」となることで、正々堂々と大義名分を持ってすべての重要情報を隠し通すことが成り立ってしまいます。

国民が知るべき情報は「秘密」とされて公にされなくなり、戦前に敷かれていた情報統制が再び始まるとも言われています。
 

街頭アンケートで「6割」の人が、「何のことかわからない」とした法案

私もこの「特定秘密保護法案」についてネットから情報を得て勉強しました。何が問題で、どのくらいまずいものなのか?

街頭アンケートをしたところ、6割にものぼる人がこの「特定秘密保護法案」について「わからない」と答えたそうです。それはそうでしょう。情報の多くをマスコミに依存しているのが日本人のほとんど。そのマスコミが報じないのだから、知る由がありません。

以下、田中龍作さんのサイトより
秘密保全法 市民「マスコミが言わないから分からない」

特定秘密保護法案(秘密保全法)は自公が合意し、国会上程が確実になった。「何を秘密にしたのかは公表しない」「秘密事項を指定するのは行政の長」…。

“こんな暗黒法をこのまま通してはならない” 危機感を抱く市民たちが懸命の街宣活動を続けている。

「シール投票」を呼びかけているのは「秘密保護法を考える市民の会」だ。きょうは上野アメ横で道行く人に投票を呼び掛けた。2時間にわたる投票の結果は「賛成23票」「反対105票」「わからない133票」。トップは「わからない」だった。

反対に投票した男性(自営業者・男性50代)は「主権者たる国民の知る権利がなくなる。有権者は政治家のクライアントなのだから言った通りにやってくれなきゃ困る(=国民が願ってもいないことをしてほしくない)」と憤る。

東京への出張中に通りがかったビジネスマン(40代)は、『わからない』に投票した。「マスコミが言わないので、よく知らない」とボソリ。

私もネットで情報収集をしてどんなものなのか学びました。以下、日弁連のサイトに詳しく記載があったので、引用します。
 

秘密保護法案(特定秘密保全法制)とは

秘密保全法制とは、国にとって特に重要な情報を「特別秘密」に指定し、それを取り扱う人を調査・管理し、それを外部に知らせたり、外部から知ろうとしたりする人などを処罰することによって、「特別秘密」を守ろうとするもの

政府は、「今の法律では、国の安全に関わる秘密の漏えいを防ぐ管理体制が不十分だ」として、「秘密保全法制を作りたい」と言い出しました。

政府が法律を作ろうとしたきっかけは、2010年に起きた尖閣諸島沖漁船衝突映像のインターネット流出事件がきっかけといわれています。

しかし、この事件は「国家秘密の流出」と言えるものではありません(詳しくは、→尖閣諸島ビデオ映像流出問題についての会長談話)。

報告書は、法律を作る必要の根拠として、他にもいくつかの情報流出事件を挙げていますが、どれも流出が発覚した直後に原因究明を行い、再発防止策がとられています。

新たに「秘密保全法」を作る必要はないのです。
 

特定秘密保護法案(秘密保全法制)の内容

想定される秘密保全法制の内容は、

「国の存立にとって重要な情報」を行政機関が「特別秘密」に指定する
秘密を扱う人、その周辺の人々を政府が調査・管理する「適性評価制度」を導入する
「特別秘密」を漏らした人、それを知ろうとした人を厳しく処罰する

などが柱になります。
 

特定秘密保護法案(秘密保全法制)の問題点

秘密保全法制は、具体的に何か問題なのでしょうか。

プライバシーの侵害

報告書では、「特別秘密」を取り扱う人のプライバシーを調査し、管理する「適性評価制度」というものが提案されています。

調査項目は、住所や生年月日だけでなく、外国への渡航歴や、ローンなどの返済状況、精神疾患などでの通院歴…等々、多岐に渡ります。

秘密を取り扱う人というのは、国家公務員だけではありません。地方公務員も当然に含まれますし、一部の民間事業者や大学等で働く人も含まれます。

その上、本人の家族や恋人、友人などにも調査が及ぶ可能性があり、個人情報を収集・管理される人の範囲は知らない間に際限なく広がってしまうおそれがあります。

特別秘密の範囲

「特別秘密」の対象になる情報は、「国の安全」「外交」「公共の安全と秩序の維持」に関する情報です。

これはとても範囲が広く、曖昧で、どんな情報でもどれかに該当してしまうおそれがあります。「特別秘密」を指定するのは、その情報を管理している行政機関ですから、何でも「特別秘密」になってしまうということは、決して大袈裟ではありません。行政機関が国民に知られたくない情報を「特別秘密」に指定して、国民の目から隠してしまえるということです。

例えば、国民の関心が高い、普天間基地、自衛隊の海外派遣などの軍事・防衛問題、私たちの生活に関わりの深いTPPなどの外交問題、今私たちが最も不安に思っている、原子力発電所の安全性や、放射線被ばくの実態・健康への影響などの情報。これらが、行政機関の都合で「特別秘密」に指定され、主権者である私たち国民の目から隠されてしまうかもしれません。

その上、刑罰の適用範囲も曖昧で広範です。どのような行為について犯罪者として扱われ、処罰されるのか、全く分かりません。

マスコミの取材・報道の阻害

「特別秘密」を漏えいする行為だけでなく、それを探る行為も、「特定取得行為」として、処罰の対象になります。

マスコミの記者、フリーライター及び研究者等の自由な取材を著しく阻害するおそれがあります。正当な内部告発も著しく萎縮させることになるでしょう。

検討過程の非公開

報告書を取りまとめた有識者会議の議事録や録音データは残されておらず、会議の際のメモなどは廃棄されたと発表されています。

それだけでなく、「配付資料」とされるものが、政府官邸ホームページ上では別のものに差し替えられていたことが分かりました。

検討過程の詳細は、国民の目から一切閉ざされています。

いま、日本で必要なことは、国民を重要な情報から遠ざけ、疎外する秘密保全法制をつくることではなく、情報の公表・公開を進めること、情報公開法の早期改正であると、日弁連は考えます。
 

「戦前を取り戻す」のか 特定秘密保護法案

こちらは、東京新聞のサイトから。

「戦前を取り戻す」のか 特定秘密保護法案

特定秘密保護法案が近く提出される。「知る権利」が条文化されても、政府は恣意(しい)的に重要情報を遮蔽(しゃへい)する。市民活動さえ脅かす情報支配の道具と化す。

「安全保障」の言葉さえ、意図的に付けたら、どんな情報も秘密として封印されかねない。

最高十年の懲役という厳罰規定が公務員を威嚇し、一般情報も公にされにくくなろう。何が秘密かも秘密だからだ。情報の密封度は格段に高まる。あらゆる情報が閉ざされる方向に力学が働く。情報統制が復活するようなものだ。一般の国民にも無縁ではない。

(中略)

根本的な問題は、官僚の情報支配が進むだけで、国民の自由や人権を損なう危うさにある。民主主義にとって大事なのは、自由な情報だ。それが遠のく。

公安警察や情報保全隊などが、国民の思想や行動に広く目を光らせる。国民主権原理も、民主主義原理も働かない。まるで「戦前を取り戻す」ような発想がのぞいている。

人権団体アムネスティも懸念を表明

人権保護団体のアムネスティも、この特定秘密保護法案に懸念を表明しています。

特定秘密保護法案、表現の自由の侵害に対する深刻な懸念

日本政府は、10月15日から始まった臨時国会において、「特定秘密の保護に関する法律案」(以下、特定秘密保護法案)を提出する予定であるとされる。この法案は、「表現の自由」や市民の「知る権利(情報へのアクセス権)」を著しく制限しかねないものである。アムネスティ・インターナショナル日本は、国際的な人権基準に鑑み、この法案に対して深刻な懸念を表明する。

日本が批准している自由権規約第19条第2項は、「すべての者は、表現の自由についての権利を有する」と定めている。同時に、同条は「この権利には、…あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由を含む」と規定し、表現の自由の根幹に、情報へのアクセス権を置いている(注1)。情報へのアクセス権は、単に配慮や努力規定としてではなく、明確に権利として保障されなければならない。

(後略)

マンガで説明「あなたも秘密保全法で狙われる!」

Project99のサイトより

自民党は、今秋の臨時国会で『特定秘密保護法案』=秘密保全法(通称)を提出しようとしています。

秘密保全法とは、国にとって特に重要な情報を「特別秘密」に指定し、それを取り扱う人を調査・管理し、それを外部に知らせたり、外部から知ろうとしたりする人などを処罰することによって、「特別秘密」を守ろうとするものです。

つまり、政府にとって都合の悪い情報は、全部「特別秘密」に指定すれば、国民に知られなくてすむという“政府にとっては”とっても便利な法律。

こんな法律が通れば、原発も放射能汚染もTPPも、国民に知られたらマズイことは全部隠せる!

民主主義の基本は情報公開。国民が情報を知ることができなくなったら、国政が正しく行われているかをチェックできない!

このままだと日本の民主主義は崩壊へ一直線だ!

政府・自民党の暴走を止めることができるのは、主権者である国民だけ。

秘密保全法(特定秘密保護法案)パブコメのずさんな管理

この秘密保全法(特定秘密保護法案)について意見をつのるパブコメが募集されましたが、残念ながらもう秘密保全法(特定秘密保護法案)は、すでにアジェンダの1つとなっている上で、この秘密保全法(特定秘密保護法案)に反対する人々の個人情報収集のため、またはガス抜きとして行われたのがこのパブコメだったと受け止めています。

それは以下のパブコメのずさんな管理を見て察しがつくとおりです。
(画面スクロールできます)
 

 
とんでもない回答であり、まともに管理されてないことがわかります。
 

特定秘密保護法案-官僚主権国家にし、民主主義を消滅させる悪法

以上、いろいろとまとめられているものを引用してみました。

この特定秘密保護法案(秘密保全法)で、国家が国民の承諾なく勝手に「機密」を決め、それに触れてそれを漏洩すると厳罰をくだすというもので、国民の「知る権利」が制限・剥奪されてしまい、日本国民を好き勝手に支配することが実現してしまいます。

主権が国民からなくなり、官僚主権の国家ができあがっていきます。平成の治安維持法。

秘密とされる事項の範囲が広範囲であるために、国民が知るべき致命的な情報さえも、「特定秘密」とされ、国民には開示されなくなる危険性をはらんでいます。

国民の知る権利、そして表現の自由なども、この特定秘密保護法案によって脅かされていくことでしょう。

身近な例だと、原発事故による放射能の情報についても、「公共の安全及び秩序の維持のため」と判断されれば、「特定秘密」にすることができ、国民は致命的な情報を知らされなくなることとなってしまいます。

すでに、この法案がなくとも、原発事故による福島第一原発の状況や放射能の情報についてはとことん統制され隠されてきました。

同じように見えますが、しかしながら特定秘密保護法案が成立することで、公に「特定秘密」とすることができ、それを漏洩した者は厳罰の対象となってしまうわけです。

さらに、確固たる官僚主権国家を樹立しようする-それがこの、特定秘密保護法案という悪法です。日本は、これまでも「形だけの」民主主義であったものの、今後は正式に、民主主義が死んでいくこととなってしまいます。