いわき市でも極微量のプルトニウムが検出 検査結果



10日ほど前の情報ですが、いわき市で極微量のプルトニウムが検出されていたそう。
「あくまで極微量」とのことですが、測定の結果があるので、こちらに転載&メモ。

いわき市でも微量のプルトニウム検出

いわき市で根気強く調査を続けてこられた「α線と鉄板」さんのブログで、野ざらしの鉄板から微量のプルトニウム(Pu-238,Pu-239,Pu-240)が検出されたとの報告があった。

金沢大学・環日本海域環境研究センター の山本 政儀 先生が検査を行い、その結果からPu238/Pu239,240放射能比から福島第一原発由来の物であると断定された。

なお、Pu239,240/Cs-137放射能比が政府の推定値の200倍となっており、放射性ヨウ素や放射性銀が斑に分布すると同様、プルトニウムもフラクショネーション(挙動の違い)が存在するのではないかと推察されています。

個人的には放出比については、プルトニウム(Pu-239)の親核種であるネプツニウム(Np-239)の分布状況にも影響されているのではないかと推察する。
なおネプツニウムについては半減期が2.36日ということから、今からでは証明できない点が歯痒い思いである。

(山本 先生のコメント)

測定結果をお送りします。Puが検出され、正直なところびっくりしました。
Puは核実験ですでに広く,低レベルで分布しています。
このPuついて、Pu238/Pu239,240放射能比は0.03程度です。

今回のこの比は0.8で明らかに高く、原発由来のPuを含んでいます。
政府の放出量見積もりでは3です。

野ざらしの鉄板には核実験のPuが付着していないと考えると、
何故比が低いのかと考えさせられます。

全て3ではなくて0.8の低い比を持つPuが放出された可能性もありますね。

さらにPu239,240/Cs-137放射能比が9.0E-5で、政府の推定値4.3E-7の200倍になり、Puが多く検出されています.たぶんフラクショネーション(挙動の違い)が存在するためだと思われます。

現在ウラン、出来れば Am-241なども分析できればと考えています。

転載元より注意事項

数日前までこのブログが話題になることは無かったように思うが、ここ数日このブログが発信した内容がネット上で話題になっている。

私などよりはるかに読みやすく整理して私の意を正確に伝えるように心配りをして下さっている方もおられ、ありがたく思う。しかしながら、自分の意図とは異なった伝わり方をしている部分もあり、それについては自分の責任を痛感している。

金沢大学・環日本海域環境研究センターの山本政儀教授は「測定結果を公にする際にはくれぐれも非常に低レベル(微量)であったことを強調しておいてください」と言われた。

自分は記事のタイトルや本文で微量であったことに触れていたのでそれで良かろうと思っておったが、それでは十分ではなかったように思う。説明責任を果たす。

「環境放射線データベース」

によれば、過去の福島県・茨城県のプルトニウムのデータは

0.016±0.0039Bq/kg ~ 2.2±0.1Bq/kg
1.7±0.42Bq/m^2 ~ 110±22Bq/m^2
(注:1MBq/km^2 = 1Bq/m^2 なので MBq/km^2 と Bq/m^2 は同一単位と思ってよい)
(csvデータ)

山本先生が測定して下さったデータは

0.055±0.005Bq/kg
0.037±0.003Bq/m^2

である。土より重い鉄粉を測っているので、土壌のデータと Bq/kg の単位で比較するのは良くないが、それでも過去最小値とその次の値の間に位置する値であり、比較するのに適当な単位の Bq/m^2 で比較するならば過去最少値の約1/50の値なのである。

山本先生が「低レベル」と言われる意味がわかっていただけるだろうか。

検査結果(PDF)

ガンマ線のスペクトルデータはこちらのSPViewerでご覧になれます。

青色のスペクトルは、プルトニウム(Pu-238,Pu-239,P-240)が検出された野ざらしの鉄板。黄色のスペクトルは、対照物(野ざらしになっていない鉄板)です。

参考文献

プルトニウムやストロンチウムなどの分析が難解な核種については、核種ごとに分析法が定められています。文部科学省 放射能測定法シリーズより。

1 全ベータ放射能測定法
2 放射性ストロンチウム分析法
3 放射性セシウム分析法
4 放射性ヨウ素分析法
5 放射性コバルト分析法
6 NaI (Tl) シンチレーションスペクトロメータ機器分析法
7 ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線スペクトロメトリー
8 放射性ジルコニウム分析法
9 トリチウム分析法
10 放射性ルテニウム分析法
11 放射性セリウム分析法
12 プルトニウム分析法
13 ゲルマニウム半導体検出器等を用いる機器分析のための試料の前処理法
14 ウラン分析法
15 緊急時における放射性ヨウ素測定法
16 環境試料採取法
17 連続モニタによる環境γ線測定法
18 熱ルミネセンス線量計を用いた環境γ線量測定法
19 ラジウム分析法
20 空間γ線スペクトル測定法
21 アメリシウム分析法
22 プルトニウム・アメリシウム逐次分析法
23 液体シンチレーションカウンタによる放射性核種分析法
24 緊急時におけるガンマ線スペクトロメトリーのための試料前処理法
25 放射性炭素分析法
26 ヨウ素-129分析法
27 蛍光ガラス線量計を用いた環境γ線量測定法
28 環境試料中プルトニウム迅速分析法
29 緊急時におけるガンマ線スペクトル解析法
30 環境試料中アメリシウム241、キュリウム迅速分析法
31 環境試料中全アルファ放射能迅速分析法
32 環境試料中ヨウ素129迅速分析法
33 ゲルマニウム半導体検出器を用いたin-situ測定法
34 環境試料中ネプツニウム237迅速分析法

各分析法の資料は(財)日本分析センターの文部科学省・放射能測定法シリーズからダウンロードできます。今回、山本先生が行った分析法は「環境試料中プルトニウム迅速分析法」(上記の28)です。

「あくまで微量である」ということなので、その点を留意しておくべきでしょう。ただ、元々核実験などでプルトニウムは広く低レベルでの分布は見られるものの、原発由来のプルトニウムが含まれているのは事実と言えるでしょう。

 
 

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