国民の7割が知らないマイナンバー制度とは?



今年の10月からマイナンバー制度が始まります。驚くことに、国民の7割がこのマイナンバーについて内容を知らないということです。

マイナンバー「知っている」3割=周知に遅れ―内閣府調査

内閣府は19日、2016年1月に始まる社会保障と税の共通番号(マイナンバー)制度に関する世論調査の結果を発表した。マイナンバーについて「内容まで知っていた」人は全体の28.3%にとどまり、制度への理解が遅れている現状が浮き彫りとなった。政府は「周知・広報を強化する必要がある」(内閣官房)と説明している。(時事通信)

マイナンバーとは?

内閣官房が公式ページを作っています。まずは公式見解について一部抜粋。

マイナンバー(社会保障・税番号制度)

マイナンバーって、何?何のために導入されるの?

マイナンバーは、住民票を有する全ての方に1人1つの番号を付して、社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されるものです。

1つめは、所得や他の行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため、負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止するとともに、本当に困っている方にきめ細かな支援を行えるようになります。(公平・公正な社会の実現)

2つめは、添付書類の削減など、行政手続が簡素化され、国民の負担が軽減されます。また、行政機関が持っている自分の情報を確認したり、行政機関から様々なサービスのお知らせを受け取ったりできるようになります。(国民の利便性の向上)

3つめは、行政機関や地方公共団体などで、様々な情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が大幅に削減されます。複数の業務の間での連携が進み、作業の重複などの無駄が削減されるようになります。(行政の効率化)

自分のマイナンバーはいつわかるの?

平成27年10月から、住民票を有する国民の皆様一人一人に12桁のマイナンバー(個人番号)が通知されます。また、マイナンバーは中長期在留者や特別永住者などの外国人の方にも通知されます。

マイナンバーはいつから誰がどのような場面で使うの?

mk_05

mk_06

平成28年1月から、社会保障、税、災害対策の行政手続にマイナンバーが必要になります。マイナンバーは社会保障、税、災害対策の中でも、法律や自治体の条例で定められた行政手続でしか使用することはできません。

国の行政機関や地方公共団体などにおいて、マイナンバーは、社会保障、税、災害対策の分野で利用されることとなります。

このため、国民の皆様には、年金・雇用保険・医療保険の手続、生活保護・児童手当その他福祉の給付、確定申告などの税の手続などで、申請書等にマイナンバーの記載を求められることとなります。

民間企業は、従業員の健康保険や厚生年金の加入手続を行ったり、従業員の給料から源泉徴収して税金を納めたりしています。また、証券会社や保険会社等の金融機関でも、利金・配当金・保険金等の税務処理を行っています。平成28年1月以降は、これらの手続を行うためにマイナンバーが必要となります。そのため、企業や団体にお勤めの方や金融機関とお取引がある方は、勤務先や金融機関にご本人やご家族のマイナンバーを提示する必要があります。

また、民間企業が外部の方に講演や原稿の執筆を依頼し、報酬を支払う場合、報酬から税金の源泉徴収をしなければいけません。そのため、こうした外部の方からもマイナンバーを提供してもらう必要があります。

以下を主な目的としていることがうかがえます。

20150119192237sdfsf1
 

このマイナンバーに、約640億円もの予算を計上しています。私は海外にいて日本のTV報道が見られないのですが、日本にいる方々に聞くところによりと、TV報道ではこのマイナンバーのことを大々的には取り上げていないそう。

表題のよう、「7割の人が知らない」という状態でも不思議ではありません。
 

マイナンバーの懸念と危険

マイナンバー導入において巷で懸念されている事項や危険性、私が思うところの問題点をあげてみます。

私生活の状況までもが記録・把握される

このマイナンバーには、家族構成から税金の支払状況から、給料や預貯金、不動産などの資産情報、生命保険や医療に関する情報、合計で93項目にも渡る個人情報が網羅されます。

その本人に関するほとんどすべてとも言える情報が記録され、マイナンバーの番号だけで、その本人に関するほぼすべての情報がわかることとなります。

今までは各人が所有する資産情報などは行政は把握することができませんでしたが、このマイナンバーではそれらも網羅されることから、すべてが明らかになります。

よってマイナンバーは、「国民総背番号制」とも呼ばれています。国民1人1人に、背番号をつけるわけです。以下はウィキペディアより。

全ての国民に固有の番号を振り、特定個人を識別し管理しやすくする制度。コンピュータによる行政事務の効率化を目的とする。プライバシー、基本的人権や民主主義の観点から賛否両論がある。なお、名称は国により異なる。

私はこれをすごく怖く思っています。筒抜けに監視されている感覚。国に資産情報まで含めた、私生活における様々な分野の情報や状況を、全部把握され管理されてしまうわけです。何の病気にかかったかということもわかるし、預貯金や不動産の状況もすべて把握されます。

個人情報漏洩の大きなリスク

管理システムに障害が発生したり、不正アクセス等で情報漏洩等で個人情報が漏洩されると、ほぼすべての情報が網羅されていることから甚大なプライバシー侵害が発生します。

今までも民間企業等で情報が漏洩する出来事がたびたび起こってきました。システム管理面だけではなく、人為的な漏洩も起こりえます。ずさんな管理によるマニュアル面での漏洩、また故意、過失、双方を含む情報漏洩。過去にもこういったことがたびたび起こってきたわけです。

個人情報漏洩事件・事故一覧

マイナンバー施行後にも情報が漏洩するリスクは現実的であり、高い確率で考えられます。

アメリカではソーシャルセキュリティーナンバー(社会保障番号)と呼ばれる、日本で言うマイナンバーにあたるものが使われていますが、これを含む個人情報の流出が社会問題の1つとなっています。

同姓同名であることからの行政のミスによるトラブル、また不正にナンバーを盗んで成り済ましとなって悪用するなど、身分証明を偽装した詐欺も数多く起きていますし(Identity Theft)、他人の社会保障番号を使った成りすまし犯罪者天国と化しているとも言われています。盗難そのものに限らず、闇取引で売買されているとも。

そして、それに対する根本的な対策はいまだきちんと練られていない現状。

日本がアメリカの二の舞いになる可能性が非常に高く、危険です。

アメリカでの情報漏洩の事例:

米大手データ仲介会社の個人情報流出

米保険アンセムにハッカー攻撃、8000万人の情報流出か

上記2つ目の記事はごく最近のものです。社会保障番号(日本で言うマイナンバー)を含んだ情報流出です。また韓国でも起こっています。

高額な導入・維持費用

住基ネットで1千数百億円もの税金が投入され、結局中途半端に終わりました。約640億円もの予算を計上していることを前述しましたが、システム維持費用にも高額な費用がかかります。

マイナンバー制度導入にかかるコストは?

民主党時代の法案では、「情報連携基盤」と呼ばれた(1)個人情報表示機能(2)情報提供ネットワーク(3)個人情報保護監視システム-の基幹部分について最大3千億円とはじいた。政権交代後にコストを洗い直した結果、「基幹部分の開発費用は190億円」と減額されたが、1700強に上る自治体システムの改修やネットワーク接続、スマートフォン(高機能携帯電話)などによる住民サービス提供といった機能拡大まで含めれば、1兆円を優に超える市場が見えてくる。

マイナンバー導入にともない、住基ネットは廃止されます。いったい、高額を注ぎ込んだ住基ネットとはなんだったのか、という話です。

個人や企業への負担とリスク増大

マイナンバーを扱うこととなる個人や企業にとっても、リスクが増大します。企業にとっては、先のアメリカの事例のようにデータベースに不正侵入され情報漏洩となるリスクも高いです。

そして、情報漏洩が起きた際の企業への罰則もあります。預かったマイナンバー漏洩で4年以下の懲役もあるといいます。

今年秋の「マイナンバー」で漏洩企業に罰則、経営者は今すぐ認識し対策を

今年(2015年)秋から「マイナンバー制度(社会保障と税の番号制度)」が施行されることに伴い、社員の番号を預かる企業がそれを漏洩させてしまった際に罰則規定が設けられていることはあまり知られていません。

企業にとって重要な点が「特定個人情報」(12桁の個人番号=マイナンバーそのものと、マイナンバーに紐付けた氏名や従業員番号などの情報)が漏洩した際に、新たな罰則規定が設けられていることです。

 2001年に個人情報保護法が制定し、国内でもセキュリティ対策は一斉に強化されてきましたが、マイナンバー制度の施行に伴う特定個人情報の漏洩については、既存の個人情報保護とは次元の違う罰則となっています。

 たとえば、もっとも重い刑事罰は「4年以下の懲役または200万円以下の罰金」もしくはその両方を科せられます。経営者は正面からこの点を検討しておかないと、特定個人情報の漏洩により、事業継続にも影響が出ることにもなりかねません。

「セキュリティ対策は生産性を生まないコストだから」という言い訳が通用しないマイナンバー制度の施行が目前に迫っているのです。

2016年に逮捕者続出?企業に迫るマイナンバーの落とし穴

結論を先に言うと、このままでは2016年、12桁の個人番号(マイナンバー)そのものとマイナンバーにひも付けた氏名や従業員番号などを含む「特定個人情報」が企業から大量に盗み出される危険性が高い。万が一、内部犯行ともなれば当事者だけでなく企業も責任を負う。

400万社を超える日本の企業は例外なく従業員の特定個人情報を収集・管理しなければならないが、漏洩に対する罰は厳しい。自分の身は自分で守るには、今すぐにでも行動を起こすべきだ。

「あまりに企業が知らなすぎる」。情報セキュリティ対策サービスを提供するS&Jの三輪信雄社長はマイナンバーの刑事罰に対する理解が浸透していない現状に強く警鐘を鳴らす。

政府や自治体のマイナンバー対応の出足の鈍さは各所で指摘されているが、企業の対応は「さらに遅れている」。

企業は2016年から税や社会保障に関する書類に、従業員のマイナンバーを記載する必要がある。16年初めにも従業員からマイナンバーを集める作業が始まるとみられるが、「アルバイトを雇うにも、配当金を支払うのにもマイナンバーの収集と管理、書類への記載が必要になる」。

マイナンバーを含む特定個人情報は個人情報よりも一段上の管理体制が求められ、罰則規定も強化されている。仮に社員が特定個人情報を横流しした場合、その雇用主である企業も責任を問われるほどの厳しさだ。

では、サイバー攻撃による不正アクセスや内部犯行に遭い、特定個人情報の漏えいを防げなかった場合はどうだろう。内閣府が公開する資料にはそういった記載がない。問い合わせてみると「過失がないと証明できれば刑事責任は問われないが、民事責任はわからない」との回答だった。

内閣府からは、まだいまだにこんな回答が出るような状況。

私自身、報道の少なさにあわせ、企業側がいまだちゃんと対応できているとはどうしても思えないです。恐ろしいことになるような気がして仕方ありません。
 

各人の人権・権利・プライバシー・尊厳における問題

マイナンバーで、実質的に国民が総背番号化されれば、人を番号や数字として扱い、仕事、収入、資産等によって、人間を「値段」として見る風潮が生まれかねません。総背番号化、それは奴隷化であるとも言えると思っています。

国民が各自自分でコントロールする権限を失い、国から一元管理されることで、人権や尊厳、個人のプライバシーが奪われてしまうとも思っています。

北欧諸国(スウェーデン、ノルウェー、フィンランド)でも社会保障番号はありますが、知られているよう高福祉大国として、国民が救済されるシステムがあります。高福祉を実現している国として、国民の国に対する信頼も厚いです。

日本という国家にはこのような信頼があるでしょうか。むしろ逆で、国家への信頼はゼロに等しいです。信頼できないのに、自分のすべてを預けることとなります。

日本では福祉とは名ばかり、権力が国民の税金を無駄遣いをしているせいで回るべきところにお金が回っていません。国が責任を放棄して「自己責任」などとのたまうこの国で、自己責任なのになぜマイナンバーが必要なのかという矛盾を思います。

国によるマイナンバーの悪用

このような現実でなぜマイナンバーが必要か。それは国民の財産状況を把握して悪用することが真の目的であると見ています。

というのは、日本は実際に過去に預金封鎖と新円切り替えにより、国民の財産を没収した過去を持つ国。前記事:NHKが報じた「預金封鎖の真実」でもまとめました。実績があるわけです。

それで日本の国家権力は味を占めました。この国民には何をやっても大丈夫だと。

政治家や官僚がマイナンバー導入に執拗にこだわるのは、それがあるからでしょう。実際に実績がある以上、預金封鎖と財産税による財産没収を実行するためにマイナンバー導入に踏み切ったと私は見ています。

記事も長くなるので、これについては別でまとめようと思います。

(続く)