福島原発の実態と東電の正体 元作業員・鈴木智彦氏
※現在、一部の過去記事における画像の入れ替え中につき、
画像が正しく表示されない記事があります。ご不便おかけします。
東電の実態を語る元作業員、鈴木智彦さんの会見の様子です。
とても貴重なものです。
こんにちは、初めまして。フリーライターの鈴木智彦です。
私は7月~8月のお盆過ぎ22日まで、東京電力の福島第一原発で作業員として勤務してきました。
日本の大臣が言ったように、放射能はたくさん浴びていますが、皆さんにうつすことはたぶんないと思うので、今日はご安心してください。
でですね、基本的に皆さんが知りたいことと、僕がしゃべりたいことと、かなりずれがあるんだろうと思いまして、今回書かせてもらった本は、ヤクザと原発のつながり、もうひとつは今言った、福島第一原発がどうなっているのか、ということの内容が、大きく分けて2つ書かれています。
そのうちのどちらでも、ご質問があれば、誠実に正直に今日は答えようと思っています。
まずひとつ言っておきたいのが、今回の事故の収束について日本政府および日本国民はオールジャパンで、もしくはフランスのアレバやアメリカの企業と協力して、みんなで協力して事故収束をしようという建前になっていますが、現実はまったく違う。
たとえばプラントメーカー、三菱も日本にはあるんですけど、福島第一には、日立、および東芝が入っております。しかし日立の技術は、というか日立がやっていることは東芝にはまったく知らされない、東芝のやってることは日立にはまったく知らされない、とにかくそれぞれ独自にやっている。
これをもしお互いに本当にオールジャパンでやっていれば、もっとたくさんの案も出るだろうし、放射能漏れも少なくなるだろうと僕は思っています。
原子力発電の是非はともかくですね、日本の福島第一原発における今の状況はぶっちゃけ言うと完全にアウトの状態です。アウトの状態はどういうことかというと、アメリカ軍の方で最初避難区域を80km設定しろというニュースが日本でも流れましたが、おそらく、それで正解です。
ということは、福島っていうのは浜通り、浜のところと中通り、事故のあった場所から比べると2つ、もう一個あるんですけど、もう中通り辺りは、これは学者の先生でも言ってる人がいると思いますけど、僕らの実測でも、完全に管理区域です。
管理区域というのは、線量も高く、汚染もひどく、普通の一般人を立入禁止すべき場所です。
にもかかわらず、日本の前提は、福島県の大都市、いわき市、および福島市、および郡山市、その大都市を避難させないという前提でおそらく今回の20km圏内立入禁止という基準だったと思いますが、僕の取材したすべての原子力に関わる技術者は、本来は、住んではいけない場所に住んでいる、極端に言えば、原子力発電所の中に住んでいる、というような状況であるということはまずひとつ、言っておきたいと思います。
あともうひとつ、最新の状況を言っておきたいと思うんですけど、日本政府は「冷温停止」という、とりあえずの事故収束の目安を急ぐために、かなりずさんな工事をやっております。
たとえば、汚染水をつなぐ配管があるんですけど、配管の多くは本当は原子力プラントでは特殊な、何年も使用に耐えられる配管を使ってるのですが、プラスチックの自由にクニャクニャ曲がるものでとりあえず接続をしているのが多い、これがどういう意味かというと、寿命も短いし、今回冬場、凍結のおそれがある、と。凍結すればプラスチックだから漏れますんで、今その付け焼刃でやった工事の尻ぬぐいを業者が一生懸命やっている、と。
でもうひとつ、福島第一原発6基原子炉がありまして、建屋が崩壊したのが1号機~4号機、すべてにおいて正確なデータが今のところ取れていません。
で今回、これはIHIっていう、日本の東芝系列の有名なプラントメーカーが、ようやく一番健全であろう、2号機に穴を開け、中の様子を確認するという作業に今年中に入るらいしんですけど、それでもおそらく、原子炉の中の燃料がペレットがどうなっているか、まだわからないだろうと、とにかく何の収束も立っていない、とりあえず道路を復旧し、とりあえず水で冷やせるようにしている、その水でも交換、これからメンテのことを考えると非常に不安、というのが実態です。
フクシマ50といって、世界的に有名になりました、水素爆発の直後、管内に残った技術者および東電職員およびエンジニアの方たちの総称です。
彼の勇気はもちろん賞賛されるべきですが、実を言えば、メーカーの放射線の特殊のそればっかり研究している方は、現段階でも「1Fで働くことは死んでくれ」であるという風に私に言っております。それだけ1Fの状況は、まったく危機的状況を脱していません。
おそらく皆さん、外国人の皆さんは特に、日本政府の対応にものすごく不信感を持っていると思いますし、私も自分の祖国をあまり悪くは言いたくないのですが、まったく情報が伝わっておりません。それは東電からの情報も同じと思ってください。
ただし東電の情報がすべて嘘というわけではありません。東電は言われたこと、聞き手の知識に、聞き手がどのくらいの知識を持っているか、それを確認して、小出し小出しに情報を出してきています。ですから、ジャーナリストの人に必要なのは、まず科学的な原子力の知識を、基本的な構造を学ぶこと、東電の嘘を暴くためにそれなりの理論武装をすることが必要だと思います。
あとですね、日本の原子力の発電所は、ちょっとこれは極論なんですけど、すべて不正の上に成り立っている産業なんです。
どういうことかというと、それは作業員の被ばくを強いることによって成り立っています。
もちろん、公的には作業員は被ばくをしていないことになっていると思いますが、たとえばですね、1Fに限らず、危険地域に入る時には、線量計というAPDを胸につけるんですね。
それには裏表があって、線量計をポケットに入れるんですけど、裏表逆にするだけで作業時間が10分のびるわけです。
作業場の上部の方が放射線量が高い場合は、それを靴下の中に入れる。そうするとさらに30分作業ができる。逆に原子力の釜の上で作業をする場合は、肩口のここにAPDを入れます。
これは特段東電から命令された指示ではありません。ただ与えられた人数と予算と、作業内容を考えるとそうせざるを得ない状況にあると。それを自主的に作業員にやらせておいて、なにか問題があった時は、作業員が勝手にインチキをしたと。
もうひとつ例を上げますが、震災直後、水素爆発直後、「死んでもいい人間を集めてくれ」と東電は各社に指示しました。
その際に、本当は、原発の敷地内に入る時は、放射能管理手帳という特別な手帳が必要なんですけど、もちろんそれは必要なかった。また健康診断、労働者名簿すべて必要なかった。実際それだけのパニックであったことは間違いないですね。
ところが東電は、状況が落ち着いた先月くらいになってから、協力会社に、作業におりた人間の労働者名簿、および健康診断を提出するように、協力企業に言ってきたわけです。
ですがもうすでに現場を離れて退職している業者も多いし、当時あの状況の中で、いったい誰から入ったかわからない、そもそも3月の地点、4月の地点に入るのに必要な健康診断を、今からとってもまったく意味がない、にもかかわらず、協力企業や下請け企業はそれを今一生懸命やらされている最中ですね。
結果どうなるかというと、下請け企業は、ここはとても日本的なところなのか、それとも電力業界だけの特質なのか僕ははっきりわかりませんが、下請け企業は東電に対して「そんなことはできない」とはねつければいいんですけれど、ところがどっこいそれを彼らの生殺与奪、要するにクビにしてしまえば飯が食えない、そういうのを利用して、彼らに、命令はしないですが、自主的にという形で、偽造した、もしくは偽造に近い書類をあげさせる、と。
でそれがマスコミにバレた時には、私たちは指示はしていない、と。下請け企業がやったことだ、と。そして彼らをクビにする、と。こういう状況が原発の、ほぼすべてのエリアにおいて、日常的に行われております。
かといって絶望的な状況かというとそうではないところもあって、実を言えば、日立、東芝などのメーカーは、この事故を収束させるためのアイデアをたくさん持っているんです。
ところが、日本の政府、および東電の状況発表っていうんですか、もうすでに1Fの事故は収束したと、多くの日本人が「危機は脱した」と思っているのを利用しておりまして、予算を莫大に削っております。
ですから、どんなアイデアを東電に持って行っても、予算がない、と。こうしたいんだけど、ああしたいんですけど、と会議で上げるんですけど、それができない、という状況になっております。
そういう不正というかですけど、日常的に行われているという状況の中に、日本の暴力団、ヤクザが労働者として入り込んでいる。
これは暴力団が無理やり入っていったのではなくて、すでに地域の共同体の中の原発の産業の中に、すでにもともと、ヤクザ・暴力団という存在が包括されて成り立っていると。それに関しても東電はおそらく、僕らが責めれば、それは知らない、と。ただ証拠を見つけることもできると思いますんで、それを突きつければおそらく下請けの会社が勝手にやったことだと。トカゲの尻尾切りで終わるだろうと。そう思っています。
もっとたくさん本当は、お知らせしたいことがたくさんあるんですが、時間の都合でとりあえずスピーチは終わりにしますが、とりあえず最後に。
1Fの事故収束は、まったくほぼ進展がない。これからが本番だということだけ、もう一度最後に言っておきたいと思います。
これから、この腕時計形のピンホールカメラで隠れて撮影してきた、写真を公開します。ピンホールカメラなので画像は悪いですが、私が中に入ってきた時に撮った写真を公開します。

写真と動画の詳細は、上記の動画で見られますが、いくつかこちらに貼付します。





マスコミでは決して報じられない、核心に触れた話が次々と明らかになることに、改めてその実態について、やはり・・・というか、驚きというか、これが実態なのだと実感させられました。
そして東電の正体、実態についても。作業員を人間と思っていない扱いであることも、ヤクザが深く関わっているということも。
以前にもジャーナリストが福島第一原発に潜入をしています。
長くなるので、次回にその時の様子をこちらに記したいと思います。

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2011年12月18日 | コメント/トラックバック(2) |
カテゴリー:福島原発事故・作業員
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